『Resident Eivil Δ Force of the Dead』

 配役

   対バイオテロ対策特殊部隊BSAA

   「アルファチーム」

   クリス・レッドフィールド:♂

   ジル・バレンタイン:♀ 

   ジャック・サウザー:♂ 

   サーシャ・トロニー:♀ 

   ヘリパイロット:♂ 

   「ブラボーチーム」

   レベッカ・チェンバース:♀

   ロバート・メシアス:♂ 

   シルキー・フォックス:♀ 

   ケニー・ザックス:♂ 

   ヘリパイロット:♂ 

   BSAA作戦本部指令アドバイザー(以下CQ):♀ 

   装備・情報担当 クエント・ケッチャム:♂ 

   作戦統合司令官 スナイフ・ファロー:♂

   イスラム革命過激派部隊「ナシード・アッラー」

   ムシャラム・ハッド:♂

   ?????????:♂
[s1]
      「アルファチーム」   

   SE:ヘリの音

      クリス:ジル、具合のほうはもういいのか。

      ジル:えぇ、もう大丈夫よ。少し頭がクラクラするけど。どうってことないわ。

      クリス:無理もない。あれだけの死線を潜り抜けてきたんだ。それにあの妙な装置。意識はあったんだろ?

      ジル:少しだけど…自分が何をしているのかはわかってた。でも身体がいうことを聞かなかった。…みんなには悪いと思ってる。

         あんな奴の言いなりになってたなんて…悔やんでも悔やみきれないわ。

      クリス:だが奴は死んだ。ジルに罪はない。気にするな。

      ジル:ありがとう、クリス。B.O.Wの拡大は深刻ね。部隊を派遣しても収拾がつかない。いくつかの支部では対応が追いつかず、本部が襲われるって話も聞くわ。

      クリス:あぁ、このままではBSAAが追い込まれるのも時間の問題だ。早急に手を打つ必要がある。

      ジル:アンブレラが崩壊してから、世界の製薬会社は競うようにウイルスの研究をしてる。もちろん極秘裏に。T−アヌビスも驚異的な感染力を持ってる。

         明るみになったとはいえ、いつ拡散してもおかしくはない。

      クリス:アヌビスだけじゃない。毎日のように新種のウイルスが開発されている。己の私利私欲の為に人類を滅ぼすつもりなのか。

          ウェスカーめ、とんだ置き土産を残してくれたな。

      ジル:悪夢は終わらない。平和が訪れるその日まで。私は戦い続けるわ。たとえそれが自分の命をかける戦いであっても。絶対に諦めない。

      クリス:人が死ぬのはもう見たくない。一人でも多くの命を救うんだ。バイオテロには決して屈しない。ジル、これからも共に戦おう。人類から脅威を消し去るんだ。

      ジル:えぇ、クリス。…ありがとう。私を見捨てないでくれて。

      クリス:バカを言うな。ジル、お前は俺にとって最高のパートナーだ。これからも力を貸して欲しい。頼んだぞ。

      ジル:わかったわ。私…あのウェスカーの事件からずっと落ち込んでたの。仲間に銃を向けたこと、裏切ったこと。合わせる顔がないってずっと思ってた。

         みんな大切な仲間だったのに。クリス、あなたにも。

      クリス:お前は無事に生きて戻った。それだけでも俺は嬉しい。考えてる暇はないぞ。やらなければならないことはたくさんある。大丈夫だ。…心配するな。

          みんなはちゃんとわかってる。お前らもそう思うだろ?

      サーシャ:そうよジル。あなたは悪くないわ。私達はあなたがいてくれて本当に勇気付けられてるのよ?自信を持って?

      ジャック:あんたの武勇伝はいくつも聞いてる。大した女だよ。一番彼女にしたくないタイプだよな?

      ジル:ありがとう。ジャック。

      クリス:ジルはいつ死んでもおかしくない状況に何度も陥った。どんな状況下にあっても決して屈しない信念が彼女を動かしている。悪い冗談はよせジャック。

      ジャック:わかったわかった。和ませてやろうと思ってさ。元気出せってジル。仲間はいつもあんたの側にいるんだぜ?

      ジル:みんな…。

      サーシャ:ねぇ、ジル。今度あなたのこと色々聞かせて?女同士の茶話会ってところかしら。楽しくお話しましょ?

      ジル:クスッ、わかった。私も一応女だったわね。いつも厳しい任務だからそれらしいことなんて考えたこともなかったわ。

         それじゃぁ、サーシャには私の秘密、色々教えてあげるわね。

      サーシャ:やったぁ!楽しみにしてるからねっ!約束だよっ。

      ジル:えぇ。約束。

      ジャック:ちぇ、二人だけで盛り上がりやがってよ。なぁ、クリス。もう少し頭柔らかくならねぇのかよ。あんた少し硬過ぎるぜ?

      クリス:俺は今成すべき事をしているだけだ。部隊が動けば従事する。そこに理由は必要ない。

      ジャック:ったくよぉ…あーあ、つまんねぇの。

      クリス:待て。本部からだ。

      ジル:任務かしら。

      CQ:こちら作戦本部。アルファチーム、応答願います。

      クリス:アルファチーム、クリスだ。どうした。

      CQ:BSAAドイツ支部から緊急入電。アルプス山脈麓付近でバイオテロ発生。B.O.W多数出現。新種のウイルスと思われる拡散を確認。民間人及び軍の関係者多数が感染。

         これは未確認ですが、これまでにないゾンビ化をしている模様。ウイルス感染体寄生生物による変化ではないようです。

      クリス:支部の対策本部はどうした。機能しているのか?

      CQ:現在バリケード内部にて交戦中。ですが圧倒的多数にて緊急支援を要請しています。進行中の任務を破棄、ブラボーチームが状況確認の為出動しています。

      ジル:寄生生物による感染じゃないとしたら、T、G、T−アヌビスじゃない…。今度はいったいどんなウイルスだっていうの。

      CQ:アルファチームにも出動命令が出ています。至急現場に急行してください。

      クリス:了解した。降下地点の確保を最優先にしてくれ。こちらも機銃掃射で援護する。

      CQ:わかりました。端末に座標と周辺のカメラ画像を転送します。確認お願いします。

   SE 端末起動の音

      クリス:山から降りてきたとは考えづらいな。恐らく投下されたんだろう。どこの組織が絡んでいるのか突き止める必要があるな。こっ、これは…!?

      ジル:ゾンビというより新種のクリーチャーね。ただでさえ手強そうなのにこの数…尋常じゃないわ。大量のB.O.Wと戦ってるみたい…。

      クリス:今の装備では戦闘は厳しい。一度本部に戻ってクエントに相談してみよう。

      ジャック:俺あいつ苦手なんだよなー。どうみても機械オタクだろ?ついていけねぇよ。キースもよくあんなやつとペアを組んだもんだよな。

      サーシャ:あんただって充分素質はあるわよー?部類の女好きなんだから。最初ペア組まされた時は鳥肌が立ったわよ。

      ジャック:おまっ、男なら女が好きで何が悪い。当たり前の事だろ?俺はいつか女優と結婚するんだーw

      サーシャ:地球がひっくり返っても無理ね。そういうのは寝てる間だけにしておきなさい?

      ヘリ・パイロット:座標を確認した。燃料も補給したいから一度基地に戻る。メインローターの振動がおかしい。機体のチェックもしたいしな。

      クリス:あぁ、そうしてくれ。こちらも装備を一新する必要がある。レベッカ達には少しの間だけ繋いでもらおう。

      ヘリ・パイロット:助かるよ。飛んでる最中に火吹いたらたまらんからな。

      クリス:こんな大海原で投げ出されても困る。急いでくれ。

      ヘリ・パイロット:了解クリス。

SE ヘリの通り去る音
[s2]
      「ブラボーチーム」

      レベッカ:そろそろ着くわね。みんな、用ぃ…

      ロバート:後はお前だけだレベッカ。さっさと装備持て。

      レベッカ:あれ?そうなの?メディックサックどこだっけー?

      ロバート:そこの椅子の下にさっき自分で置いた。しっかりしろ。

      レベッカ:ウェストポーチはー?

      ロバート:目の前のボックスの中だ。それも自分で入れた。

      レベッカ:あれー?そーだっけ?きゃははっ。

      ロバート:おい…

      ケニー:隊長、戦闘準備完了。降下ロープ設置。いつでも降りられます。

      シルキー:私もいつでも戦えるわ。さぁーて、狩りの始まりよ!(弾薬装填の音)

      ケニー:シルキー、スラッグ弾は手元に置いとけよ。

      シルキー:あんた誰にもの言ってんの?あんたこそちゃんとカスタムライフル持ってきたんでしょうね?ジャムったら知らないからね。

      ケニー:あれはたまたまだったんだよ。正式ライフルなんて信用できないってことがよくわかったよ。

      シルキー:予算が少ないんだから当たり前。資金も武器も調達なんてまともに出来てないことくらいわかってるでしょ?

      ケニー:BSAAも、経営難で潰れそうだよな。

      シルキー:それがそうでもないみたいよ。これから莫大なお金が動くらしいし?世界の軍事企業が投資を始めたんだって。詳しいことは知らないけど…。

      ロバート:今は余計な事は考えるな。装備や武器の調達は他の機関の仕事だ。与えられたものが気に入らないなら自分でなんとかするしかない。

      レベッカ:よいしょっと。たーいちょー!戦闘準備かんりょーでーす♪

      ロバート:…。降下用意!

   SE 警告音

      ロバート:どうした!?

      ヘリ・パイロット:メインエンジンが死んだ!くそっ!PCLでエンジン再起動!サブストークで飛行する!!!

               CQ!CQ!アルプス北西部にてエンジントラブル発生!ヴィストーク墜落する!墜落する!みんな掴まれぇぇぇ!!!

      レベッカ:きゃぁぁ!

      シルキー:ちょっと!ウソでしょ!?

      ロバート:レベッカ!!手を離すな!しっかり掴まれ!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
[s3]
   SE ヘリ墜落音

      BSAA本部

      クリス:クエント、装備の開発は進んでるのか。あまり時間がないんだ。進展状況を教えてくれ。

      クエント:それがですね!!ちょうど最新装備のテストが終わったところなんですよ!見てください!このスーツ!薄手ですが生地は完全防弾防刃仕様!!

           これならハンターの大きな爪にも耐えられます!!衝撃を吸収するため、強化ステックスを使用しています。破れたり解れたりすることは絶対にありません!!

           それにこの武器の数々!!!威力は全て30%アップ!!装弾数も格段に向上し、リロードの余地を与えません!

           発射軌道も火薬の威力だけに頼るのではなく、弾丸の時速を上げるよう、弾丸の先が鋭くなっています。これならハンターの硬い皮膚も貫くことが出来るでしょう!

      クリス:これがそうか。ほう、なかなかいいものを作ったじゃないか。薬室も広げてある。これなら威力もさることながら反動も最小限に抑えることが出来る…。

          早速使わせてもらうぞクエント。他には?

      クエント:リアルタイムで本部に画像を転送できるパーティカルホロシステム。半径900キロまで通信可能な高速通信装置、通称CRS!!

           いやーこれを作るのにほんっと苦労しましたよー。なんせあらゆる地形や天候にまったく妨害されない特殊加工をしましたからねー!あっはっはっは!!

      クリス:現場の状況はどうだ。何か変化は?

      クエント:BSAAの本部はほぼ壊滅状態です。必死の抵抗も空しく、バリケードは突破された模様です。

           ところでブラボーチームとの連絡が取れないんですが、何かご存知ではないですか?

      クリス:なんだって?

      クエント:いやだから、ブラボーチームとの連絡が全く取れないんですよ。もう現地に到着して援護に周っててもいいはずなんですが…。

      ジル:どういうこと?無線は通じないの?

      CQ:座標を確認しましたがアルプスの北東部、山岳地帯でマーキングが動きません。着陸地点ではないので何かあったと推測されます。

      ジル:まさか…墜落!?

      CQ:わかりません。無線にも反応がないので否定はできませんが。

      クリス:だとすると安否を確認する必要があるな。スナイフ、俺達はどう動けばいい。

      スナイフ:消息を絶った以上彼等の捜索任務にあたってもらう。急いで現場に急行してくれ。その後の指示は追って連絡する。報告を怠るな。

      ジル:了解。

      クリス:了解した。

      ジャック:めんどくせぇなぁ…全員貸し一つだからなー。いくぞーサーシャ。俺をしっかり守れよな。

      サーシャ:はぁ!?あんた男でしょ?女に守られるって恥ずかしくないの?ったくこのヘタレ男。

      ジャック:死にたくねぇんだよ。俺はオフィスでカチャカチャがお似合いなんだよ。こういう物騒なのは苦手だからさ。お前を盾にして生きてここに戻る!

      サーシャ:最低ねあんた。それじゃ女優なんて夢のまた夢ね。いいわ。へなちょこは黙ってついてきなさい。

      クリス:全員装備を持て!出撃だ!ジル、時間がない、ここで着替えろ!

      ジル:わかったわクリス。

   SE 服を脱ぐ音

      ジャック:(口笛)、いい身体してるねー!ぴっちぴちじゃねぇか!だけどよ、クリス。仮にも乙女をこんなとこで脱がせるなんてどうかしてるぜ?

           サーシャとはえらい違いだぜ。

      サーシャ:殺されたいの?

      ジル:裸になるのくらい慣れっこよ。私は自分の事女だと思ってないから。

      クリス:悪いなジル。ちゃんとした更衣室がなくて。だが事態は一刻を争う。

      ジル:平気よクリス。あなただって私の裸は見慣れてるでしょ?

      クリス:…すまんな。

      ジル:準備いいわ。いきましょ。

      クリス:全員ヘリに乗り込め!出撃だ!
[s4]
   SE 走る靴の音

  レベッカ:うっ…うぅ。

      ロバート:くっ、はぁ、みんな無事か!

      ケニー:なんとか…

      シルキー:足が折れたみたい。挟まって抜けないの。

      レベッカ:ロバート、ケニー手伝って。

   SE 金属の音

      シルキー:あ゛ぁ!!くぅっ…。

      レベッカ:見せてみて。左足が折れてる。添え木になるものなにかないかしら。

      ロバート:こいつを使え。

      レベッカ:金属じゃダメ。柔らかい木じゃないと。

      ロバート:こんな雪山じゃそんなものないだろ。なんとかならないのか。

      レベッカ:探してきて。

      ロバート:なに?

      レベッカ:探してきてって言ってるの。このままじゃ歩けなくなる。急いで。

      ロバート:冗談だろ。くそっ。ケニー、いけるか?

      ケニー:自分は大丈夫です隊長。シュナイダーは…死んでます。いいパイロットだったのに。

      ロバート:残念だ。装備を持て。出発だ。

   SE 遠くで聞こえる銃声の音

      ロバート:あちらさんも必死だな。だが今はそれどころじゃないな。レベッカ、ここは任せたぞ。

      レベッカ:了解、隊長。シルキー、少しの辛抱よ。頑張って。痛み止めを打つから上着を脱いで。

      シルキー:えぇ、悪いわねレベッカ。イタッ!

      レベッカ:動かないで。後ろに寄りかかって。生食500mlにビカーボン25ml、ロキソニン10ml、モルヒネ0.1ml混合。腕縛るわね。刺すわよ。

      シルキー:あなたって普段はおバカさんだけどこういう時だけは頼もしく見えるわ。不思議よね。

      レベッカ:衛生隊員だもん。あたしに任せて。

   SE 吹雪の音

      ロバート:こんなとこに木なんてあるとは思えんが。周囲を警戒しろ。

      ケニー:了解。…ん?隊長、あれはなんでしょう。

      ロバート:こっちに向かってくる!戦闘態勢!

   SE 銃を構えたときの音 吹雪の音

      ロバート:あ、あれは…!ハンターだ!撃て!!

      ケニー:隊長!何かおかしいです。ハンターにしては大きすぎる。体の形もそれとはどこか違う!

      ロバート:構わん!撃て!!

   SE カービンライフル 掃射の音(ずらして)

      ケニー:隊長!当たりません!弾かわしてやがる!!

      ロバート:こいつはハンターじゃない!新種のB.O.Wだっ!!手榴弾!!!

      ケニー:えぇい!!!

   SE 手榴弾爆発音の後再び銃撃音

      ロバート:違う!弾を避けてるんじゃない!反れるようにシールドを張ってるんだ!!!

      ケニー:退きましょう隊長!このままじゃ殺される!!

   SE クリーチャーの呻き声

      ロバート:まずい!退却だ!!ヘリに機銃がある。そいつを使うぞ!!

      ケニー:くそぉっ!!!

   SE クリーチャーの呻き声

      レベッカ:痛みはどう?

      シルキー:少し楽になったわ。ありがとうレベッカ。頭がボーっとする。

      レベッカ:鎮痛剤を混ぜてあるからよ。痛みを感じにくくさせる。隊長達が戻ってくるまで休んでて。

   SE 走りくる足音

      ケニー:レベッカ!!化け物だっ!シルキーを守れ!

      レベッカ:何があったの!?

      ロバート:新種のB.O.Wだ。銃撃が全く効かない。弾が勝手に反れていくんだ。

   SE 機関銃の装填音(2つ、ずらして)

      ロバート:来るぞ。

   SE クリーチャーの呻き声

      ケニー:死ねぇぇ!!!

      ロバート:バカ!よせっ!

   SE ミニガン掃射音

   SE 風を切る音

      ロバート:ダメだ!こいつを使う!

      ケニー:スティンガーミサイル!?

   SE ピーピーというロックオンの音、発射音

   SE クリーチャーの叫び声の後爆発音

      ロバート:やったか!

      ケニー:目標の撃破を確認!!さすが隊長!敵を倒しました!

      ロバート:調査するぞ。ついてこい。

      ケニー:はい隊長。

   SE 走る靴音(ずらして)

      ロバート:これは…!

      ケニー:元になってるのはやはりハンターですね。ウイルス強化されてるようです。隊長、これを添え木の代わりにしましょう。

          皮膚は硬いですが、肉の断面は意外と柔らかいです。弾をはじくシールドは肩口から磁場を発生させていたようです。

      ロバート:なるほど。これで対策が取れるな。狙うはこいつらの肩だ。

      ケニー:戻りましょう隊長。シルキーの足が気がかりで。

      ロバート:そうだな。急ごう。

   SE 走る靴音(ずらして)

      ケニー:シルキー!!シルキー!!はぁ、はぁ、大丈夫か。いいもん持ってきたぞ。

      シルキー:何よ大声出して。私はまだ死んじゃいないわよ。うえっ、何これ。気持ち悪い。

      ロバート:新型ハンターの足だ。運よくバラバラになってただけで済んだ。レベッカ、こいつは使えるか?

      レベッカ:これなら大丈夫。中の肉が柔らかいからクッション代わりになるし皮膚が硬いからしっかり固定できる。

      シルキー:こっ、こんなの足に巻くの!?もぅ最悪。

      レベッカ:二度と歩けなくなるよりはマシでしょ?我慢して。添え木の代用があっただけでもラッキー。ありがとう隊長、ケニー。

           固定するから手伝って。そこにメディックサックがあるから包帯を。外傷があるから先にサルバをかけるわ。パンツを脱いで。

      シルキー:こんな所で脱げるわけないでしょ!?嫌よ!

      レベッカ:ケニー。

      ケニー:悪いなシルキー。傷から感染しても困るからな。

      レベッカ:体押さえて。

      シルキー:やめてっ!嫌ぁ!

      レベッカ:思ったより傷は浅い。これなら心配ないわね。止血帯を巻いておくからひとまず安心。履かせて。

      シルキー:自分で出来るわよ!

      ロバート:いつまでもここにいてもしょうがない。移動するぞ。ケニー、シルキーを頼む。

      ケニー:了解。

      シルキー:こんなとこ来なきゃよかった…。

      ロバート:戦場じゃ何が起こるかわからない。そういうなシルキー。生き残っただけでも儲けもんだ。
[s5]
   SE 吹雪の音

      ケニー:隊長、またあの化け物が出てきたらどうします?ミサイルはもうないし。怪我人抱えて戦闘はできないですよね?

      ロバート:シルキー保護を最優先にしろ。なんとしてもこの雪山を抜けるんだ。気を抜くな。

      シルキー:足手まといになるくらいなら死んだ方がマシよ。

      レベッカ:こーらー!そんなこと言っちゃ助けてくれた隊長達に悪いんだよー?命は大切に。だよ♪

      ロバート:俺達は死ぬ為に来たわけじゃない。それにお前の側にずっと寄り添っていたのはレベッカなんだぞ。命を粗末にするような事は俺が許さん。

      シルキー:感謝してるわよ。だけど私はお荷物にはなりたくないの。

      レベッカ:大好きなシルキーを守るのはあたしのし・ご・と。隊長達も心強いし大丈夫。シルキーもすっごく強いの知ってるんだから!

      ケニー:心配すんな。お前は俺達が守る。安心しろよな。

      シルキー:あんた達…うっ。…私は泣いたりしないわよ。

      レベッカ:撫で撫で♪シルキーだって女の子だもんそんなに気を張らなくてもいいんだよー?もっと隊長達に甘えちゃいなよー。

      シルキー:うっ、うるさい!

      レベッカ:シルキーかっわいい♪

      シルキー:あんたって子は…うふふっ。

      レベッカ:きゃははっ。

      ケニー:ようやくいつものシルキーに戻ったな。

      シルキー:あんたもありがと。みんなには借りができたみたいね。きっちり返させてもらうわ。

      ロバート:気にするなシルキー。こういう事はお互い様だ。

      ケニー:道が悪すぎる。足、大丈夫か?

      シルキー:えぇ、なんとか。私は平気よ。重いとか言わないでよね。

      ケニー:また太っただろお前。こっちは肩が外れそうだ。

      シルキー:ちょっと!

      ケニー:あははっ、冗談だよ。

      レベッカ:女の子にそういうこと言っちゃダメなんだよー。

      ロバート:この先は道が狭くなっている。崩れる可能性がないこともない。迂回するぞ。

      ケニー:はぁ…はぁ…隊長、新型ハンターの足跡じゃないですかこれ。

      ロバート:形状からしてそうだろう。この道を通ってきたんだな。レベッカ、警戒を怠るな。ん?お前、拳銃しか持ってないのか。

      レベッカ:あたしこれしか使えないよー。ライフルは触ったこともないしー。

      ロバート:なぜそれを早く言わん!ヘリに予備があっただろう。

      レベッカ:大丈夫ですよ隊長。当たる時は当たるから。弾もいっぱい持ってきたし。

      ロバート:お前に何かあったらどうする。衛生技能隊員は保護対象なんだぞ。

      レベッカ:心配し過ぎですよ隊長。あたし、こう見えても射撃章2級なんですから。

      ロバート:はぁ…。

      ケニー:隊長、あれを見てください。

      ロバート:道が開けてきたな。

      ケニー:B.O.Wはどうやらここで放たれたようです。複数の足跡が。

      ロバート:調べてみよう。何かわかるかもしれん。俺が尖兵を務める。お前達は周囲を警戒しつつ、ゆっくりついて来い。

      レベッカ:はぁーい。

      ケニー:隊長、シルキーが負傷しているので伏兵として狙撃ポイントに付きたいと思うのですが、よろしいですか?

      ロバート:いいだろう。レベッカを連れていく。援護は任せたぞ。

      ケニー:了解。シルキー、狙撃。いけるか?

      シルキー:任せてちょうだい。

      ケニー:周囲は俺が見張る。隊長達をカバーしてくれ。どこがいい?

      シルキー:向こうの大きな木のあたりがいいわ。あそこなら確実に当てられる。

      ケニー:わかった。

      ロバート:レベッカ、装弾数に気をつけろ。もし新型のハンターが来たら肩を狙え。シールドを破壊できる。いくぞ。

      レベッカ:りょーかいでーす♪

      ケニー:ここでいいか?

      シルキー:えぇ。上から雪をかけてちょうだい。そう、首の下まで。ありがとう。

      ケニー:俺はすぐ後ろにいる。お前は狙撃に集中してくれ。

      ロバート:レベッカ。何か手掛かりになりそうなものはないか。

      レベッカ:これってもしかしてB.O.Wが入ってたカプセルかなぁ?でも雪で埋まってる。

      ロバート:見せてみろ。…!?。これは…。

      レベッカ:アーセナルコーポレーション?

      ロバート:軍事産業のトップじゃないか。あの企業がウイルス開発をしていたというのか。

      シルキー:あれ、うちに納品してる会社じゃなかったっけ?

      ケニー:なにが。

      シルキー:アーセナルよ。B.O.Wを投下したのがアーセナルだっていうの!?そんなまさか…。

   SE 新型ハンターの叫び声

      ロバート:なにっ!!

      レベッカ:やだやだ、なんかいっぱい来た!

      ロバート:新型ハンターだ!くそっ、囲まれた…!

      シルキー:嘘でしょ!?

      ロバート:レベッカ、肩を撃て!

   SE アサルトライフル、ハンドガンの音

      レベッカ:あれ、当たんない。

      ロバート:しっかり狙え!殺されるぞ!!

      レベッカ:だって、どこ狙っていいかわかんないんだもん!!

   SE ハンターの飛び掛る音

      ロバート:ぐあぁぁ!!ごほっ…あ゛ーーー

   SE 肉の弾ける音

      レベッカ:隊長!きゃっ…やだ…やだ…来ないで…!

   SE 狙撃の音

      シルキー:ダメ!キリがない。借りは返すわよ。

      ケニー:どこにいく!?シルキー待て!くそっ、弾切れか…。ちょ、シルキー!!!!!

   SE 手榴弾 ピンを抜く音

      シルキー:くたばれぇぇ!!!

   SE 手榴弾爆発音

   SE ハンター叫び声

      レベッカ:シルキー!!!そんな…。ヤダよ…やだぁ…。きゃっ!

   SE 殴る音

      レベッカ:うっ…

      ケニー:レベッカ!!終わりだ…。
[s6]
SE ヘリの音〜機内音

      クリス:今回のバイオテロはイスラム過激派の仕業だろう。最近中東で活発に活動を展開している。

      ジル:でも彼等にはバイオテロを起こすだけの資金はない。裏で暗躍している組織があるはずよ。何かがおかしい。

      クリス:確かにな。他の国を脅迫して金を集めようとするくらいだ。影のスポンサーがいてもおかしくはない。アンブレラのようにな。

      ジル:第二のアンブレラ…。蘇るわね。あの時の記憶が。

      クリス:悪の幹は根絶やしにしなければ。根本から断ち切らねば悪夢は終わらない。

      ジル:同感だわクリス。それにしても今回のバイオテロ、ちょっと変じゃない?

      クリス:何がだ。

      ジル:ドイツの支部は完全に制圧し、世界でも一番安全な地域よ。警備体制も最高ランク。なぜ危険を冒してまで襲う必要があるの?

      クリス:恐らく力を誇示したいんだろう。俺達の立場を危うくする狙いもあるはずだ。BSAAは世界を守る力がないと。

          少なくともイスラム武装勢力にウイルス開発は不可能だ。必ずどこかの企業が関わっている。

      ジル:このままじゃ他の地域にも感染が拡大してしまう。なんとしても抑え込まなきゃ。それにブラボーチームの安否も心配だわ。

      クリス:ブラボーチームは北東部で消息を絶っている。支部の制圧が完了次第、即座に捜索任務に付けとの命令だ。

      ジル:了解。

      ジャック:なぁ、お二人さん。一体なんの話してんだよ。イスラムがどうとか。わけわかんねぇぜ。あいつらは首を切り落としたいだけだろ?

      サーシャ:バーカ。過激派の連中は勢力を拡大して自分達のテリトリーを増やしたいの。そのためにはあらゆる武器とお金が必要なのよ。

           そんな貧弱組織に高度なウイルス開発なんて出来ると思う?お金と武器をエサに武装勢力を影で操ってる組織がきっとあるって話よ。わかった?

      ジャック:お勉強は性に合わないんでね。目の前の敵をやっつけりゃ、俺の株も上がるってもんだぜ。

      サーシャ:あんたは黙って当たらない弾でも撃って遊んでなさい。話にならないわ。

      ジル:サーシャ。私達はブラボーチームの捜索に当たるわ。あなた達は支部の制圧をお願い。その後落ち合いましょ。いいかしら。

      サーシャ:わかったわ。任せて。あっという間に片付けてやるから。見てなさい化け物共。風穴開けてやるわ。

      ジル:気をつけて。今までのゾンビ達とは違う。必ず二人で会いましょ。

      ジャック:任せとけ!

      サーシャ:あんたが一番心配よ。

      ジャック:うるせー!

      CQ:こちら作戦本部、応答を。

      クリス:アルファ、クリスだ。どうした。

      CQ:あ、あの…。

      クエント:聞いて下さい!ブラボーチームの居場所を特定しました!やはりヘリは墜落したようです。

           飛行経路から逆算して、場所はアルプス山脈中腹、ドイツ支部から北西約2キロの地点のようですねー。

           端末に座標経路を転送します。かなり流されたみたいですが。救難信号を出していた痕跡がありますが電波が微弱で受信できませんでした。無事だといいんですがね。

      ジル:クエント、墜落現場の画像は送れないかしら。

      クエント:解析してみます。過去のデータから、さかのぼって追跡、しかしそれにはフライトレコーダーが必要になります。回収してください。

      クリス:わかった。何かわかったらすぐに連絡をくれ。こちらからも情報を知らせる。

      クエント:了解です。

      クリス:急いで墜落現場に向かおう。レベッカ達を救出する。

      ジル:了解クリス。行きましょう。

   SE ヘリの音

      サーシャ:なにこれ…。

      ジャック:ひでぇなこれ。機関銃掃射で蹴散らすぞ。

   SE ミニガン掃射

      ジャック:ロープ降下だ。突入するぞ!

      サーシャ:はいはい。
[s7]
   SE 鎖の音

      レベッカ:うっ、うぅ…

      イスラム武装集団:気が付いたか。おーい!みんな集まれ!お前、BSAAだな。知ってることを話してもらうぞ。

      レベッカ:…。

      イスラム武装集団:言葉が通じないか。英語ならわかるな?お前、BSAAのどこまで知っている。今回のテロ対策について吐け。

      レベッカ:わ、私は…何も知らない…。命令を…受けただけ…。

      イスラム武装集団:どんな命令だ。

      レベッカ:…。

      イスラム武装集団:仕方ないな。

   SE 金属の音

      レベッカ:何をするの。やめて!な、なにこれ…。

      イスラム武装集団:爪剥ぎだ。これより拷問を始める。

      レベッカ:やめて!やっ、あー!!う゛っ…

      イスラム武装集団:意外と強い女だな。だがこれはどうかな?

   SE ドン!ぐちゃ!

      レベッカ:あ゛ぁ…うぅ……くぅ…手が…私の手が…。

      イスラム武装集団:次は乳房だ。女としての象徴を失うことになる。アッラーワクバル!!!

      レベッカ:うぅ…それだけはやめてぇ…!

      イスラム武装集団:大きいな。喋る気になったか?

      レベッカ:くっ…

      イスラム武装集団:強情だな。仕方ない。

      レベッカ:あ゛あ゛ぁー!う゛ぅー!あ゛あぁー!

   SE 肉の裂ける音

イスラム武装集団:痛いか?次は左の乳房を綺麗に切り取ってやるからな。ふ、ふ、ふ…どうだ、自分の乳房が剥ぎ取られていく気持ちは。悲しいか。辛いか。

               全て吐けば楽になれるんだぞ?      

      レベッカ:はぁ…はぁ…ぐっ、はぁ…わ…たしは…何も…知らない。

      イスラム武装集団:ここまでされても何も言わないということは…本当に何も知らないんだな。ならばもうお前に用はない。俺の好きにさせてもらう。

      レベッカ:死…ね……。ゴミや…ろう…。

      イスラム武装集団:ゆっくり楽しませてもらうぞ。反対の乳房はもっと綺麗に剥ぎ取ろう。くっ、くっ、くっ…

      レベッカ:ぐっぅぅぅぅぅぅぅ!!あ゛ぁ!!!!あっ、あっ、やだぁーーーーーーー!!!あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

   SE ベルトの外す音

      レベッカ:こほっ…やだ!何するの!やだ!やだ!

      イスラム武装集団:大人しくしろ!!

      レベッカ:嫌!!見ないでぇぇ!!!!

      イスラム武装集団:これからお前の子宮を摘出する。女は終わりだな。レベッカ・チェンバース。自分の一番大切なところが切り取られていく様を見るんだ。いいな。

      レベッカ:や…や…い…や……め…て。

      イスラム武装集団:今度はメスだ。下腹部を切開する。

      レベッカ:ぐはっ!ぁ…ぁ…ぁ…

   SE 肉をつかむ音

      イスラム武装集団:よーく見ろ。これがお前の子宮だ。ちゃんと卵巣もついてる。どうする?子宮を摘出でやめるか、女性器を全て摘出するか…。

      レベッカ:もぅ…ぃゃ…ぐっ!痛い!痛い!やだぁーー!!!!

      イスラム武装集団:中は綺麗だな。ほとんど使ってないだろ?残念だったな。あーはっはっは!!!!

      レベッカ:やだ!痛い!!やだぁ!!痛い!痛い!もぅやめて!!!痛い!!!!取らないで!!取らないで!!!!あ゛ぅ…んあっ…うくっ…あ゛ぁーーーー!!!!!!!

      イスラム武装集団:くっ…はぁ……はぁ…見ろ…これがお前のものだ。中を開いてやる。これが最後だ。よーく拝んでおけ。

      レベッカ:くはっ…かっ…うっ……かふっ…

      イスラム武装集団:痙攣が止まらないな。手当てしといてやる。お前のものは貰っていくぞ。じゃあな。

SE 扉の閉まる音
[s8]
      クリス:クエント、奴等のアジトに心当たりはないか。

      クエント:今のところ詳細はわかりませんが武装集団が一箇所に集まっている場所があります。もしそこがアジトなら、空爆で蹴散らすことも可能でしょう。

      クリス:位置を転送してくれ。向かってみる。

      クエント:待って下さい!イスラム武装集団の力を見くびってはいけません。彼等の所持する武器はロシア製がほとんどです。

           まともに戦闘になんかなったら命はありませんよ。

      ジル:ならどうすればいいの?

      クエント:ナパーム弾で周囲の敵を一掃します。その隙に潜入してください。あ、そうだ!陽動作戦を展開しましょう。部隊を早急に用意します。

      クリス:わかった。それと墜落現場を発見した。パイロットはすでに死んでいる。フライトレコーダーを発見したが、どうすればいい。

      クエント:接続コードを操縦席横の緑のボックスを開けて挿してください。データをハッキング、情報を解析します。

      ジル:黄色のコードね。あったわ。クエント、完了よ。

      クエント:少し時間を下さい。情報解析が終わり次第連絡します。銃撃戦が始まったら潜入可能と捉えてください。

      クリス:了解。

      ジル:了解。

      クリス:ジル行くぞ!

   SE 歩く音

      ジル:もしアジトにブラボーチームがいるとしたら…。

      クリス:身の安全は保障できないな。

      ジル:座標によるとこの先なんだけど…。

      クリス:待て!隠れろ!

      ジル:くっ…。

      クリス:……。なんとかやり過ごしたな。

      ジル:えぇ、危ないところだったわ。

   SE 空爆の音

      ジル:空爆が始まったわね。

      クエント:お二人さん、応答を。

      クリス:アルファ、クリスだ。どうしたクエント。

      クエント:特殊部隊を派遣しました。間もなく到着するでしょう。そちらの様子はどうですか?

      ジル:端末にたくさんの反応が出てるわ。混乱に乗じて潜入する。

      クエント:部隊の到着まで約5分です。突入準備をしておいてください。

      クリス:任せておけ。

      クエント:それとフライトレコーダーの解析が終わりました。どうやらエンジントラブルによる墜落のようです。

           解析を進めた結果、ブラボーチームは移動を開始しています。墜落現場から約3キロ地点で発信が途絶えています。

      ジル:先にそこに向かった方がいいかしら。

      クリス:そうだな。何か手がかりがあるかもしれん。

      ジル:行ってみましょう。

   SE 銃撃戦の音(フェードアウト)

      クリス:足跡だ。複数ある。ブラボーチームのものに間違いないだろう。これを辿って追ってみよう。

      ジル:わかったわクリス。

      クリス:アジトはその先にある。急ぐぞ。

      ジル:えぇ。
[s9]
   SE 二人の走る音(フェードアウト)

      ???:証拠は残してないだろうな?わが社はBSAAと深い繋がりがある。感づかれる訳にはいかない。

          新開発のNT−S305型はこれまで以上の感染力と変異をもたらす。そして変異後は体内から細胞へと吸収、同化する。証拠は一切残らない。

      イスラム武装集団:BSAAの部隊にB.O.Wのカプセルを発見されました。しかし部隊はほぼ壊滅、捕虜を2名拘束しました。現在尋問中です。

      ???:よし、ならば実験材料にしよう。投与してから変異するまでの時間を観察しておくんだ。

      イスラム武装集団:はい。報告書は研究所内部に厳重に保管しておきます。コード6セキュリティアクセスレッドです。ご安心下さい。

      ???:よろしい。では定時連絡を怠るな。

      イスラム武装集団:承知しました。それと空爆が始まりました。特殊部隊も投入されているようです。どうされますか?

      ???:恐らく陽動作戦だろう。アジトの警戒レベルを上げるんだ。捕虜を逃がすわけにはいかない。ウイルスの投与を急ぐんだ。

   SE 電話を切る音
[s10]
レベッカ:はぁ、はぁ、みんな…。

   SE 独房を開ける音

      ケニー:うっ、うぅ…。

      イスラム武装集団:目覚めたか。お前には実験体としてウイルスを投与させてもらう。

      ケニー:貴様は…。

      イスラム武装集団:ムシャラム・ハッドだ。今回のバイオテロの指揮を執っている。

      ケニー:レ、レベッカは…?レベッカはどうした!

      イスラム武装集団:拷問させてもらったよ。苦痛に喘ぐ様は見ていて実に爽快だった。はっはっはっ!

      ケニー:てめぇ…!殺してやる!!

      イスラム武装集団:これがわかるか?新型ウイルスNT−S305だ。貴様はこれから見るも哀れな化け物になる…ふっふっふっ…あーはっはっはっ!

               我等イスラムの戦士は君達BSAAに武器の提供をしていたアーセナルコーポレーションと手を組み、新種のウイルス開発に着手した。

               従来のB.O.Wは元となる生体がある一定の種類に限定されていたのだ。

               しかしそこにS305を投与し、重複させるように遺伝子を統合、同化させることで同系列の強化仕様を生み出すことに成功した。

               細胞を意図的に突然変異させ、強化。のちウイルスは細胞に入り込み侵食、消滅する。いかなる手段を使ってそれを調べたところで証拠は一切出てこない。

      ケニー:まさか…あのアーセナルが…ウイルス開発…。そんなまさか。

      イスラム武装集団:全てはアッラーの御為に。アッラー!ワクバル!せいぜい大切な仲間と殺し合いを楽しむがいい。はっはっはっ!

      ケニー:けっ、それはどうかな?このまま舌を噛んで死んでやってもいいんだぜ?ウイルスは基本生体に反応し変異を起こす。

          俺がここで死んだら死体は硬直し、その後弛緩して腐敗を始める。死んだ細胞にウイルスは寄生できない。変異を起こすことは不可能だ。

      イスラム武装集団:確かに君の言うとおり死体に変異は示さない。さすがBSAA、ウイルス研究に関しては詳しいな。

      ケニー:お褒めいただき恐縮だ。

      イスラム武装集団:だが君は死ぬことは許されない。レベッカの命が大事なら大人しくするんだな。

  SE 扉の閉まる音

      ケニー:ちくしょう…ちくしょう…。

  SE 鍵を閉める音
[s11]
      クリス:CQ!CQ!応答してくれ。…ダメだ。繋がらない。

      ジル:吹雪が酷くなってきたわね。前が見えない。

      クリス:端末も通信リンクが切れてる。本部と連絡がつかないのはまずいな。クエントからの情報が得られない。

      ジル:私達の独断で行動するしかないわね。

      クリス:最後に確認したアジトと思われる座標はここから約1.5キロの地点だ。道は間違っていない。

      ジル:レベッカ達が心配…。何もされてなければいいのだけど。

      クリス:どうしたジル。らしくないな。

      ジル:…なんでもないわ。大丈夫。

      クリス:本当か?とにかく一刻も早く救出しよう。時間がない。

      ジル:ねぇ、殺されたりしないわよね?

      クリス:イスラム武装集団は捕虜をそう簡単に殺したりはしない。必ず交渉の切り札に使ってくる。

      ジル:交渉ってどんな?

      クリス:ウイルス開発をする組織にとってBSAAは一番やっかいな存在だ。捕虜を盾に俺達の妨害を押さえ込み、ウイルス開発の資金をよこせと言ってくる。

          だがそうはさせない。

      ジル:そう…。

      クリス:一体どうしたジル。何を考えている?

      ジル:いいえ。なんでもないわ。行きましょ。

      クリス:そろそろ着く頃なんだが…。

      ジル:お願い…無事でいて。

      クリス:何か言ったか?

      ジル:いえ…。

      クリス:待て!何か来る!隠れろ!

      ジル:くっ…。ハンター…?いや違う。似てはいるけど見たことのないクリーチャーだわ。

      クリス:空間が歪んでいる。あれでは攻撃は当たらないだろうな。恐らく何かのシールドを張っているんだろう。

      ジル:どうするの?このままじゃ進めない。
    
      クリス:俺が囮になる。注意を引き付けるからアジトの方向まで一気に突っ走れ!

      ジル:嫌よ!あなたはどうするの!?一緒に突破しましょう!

      クリス:無茶を言うなジル。援護に周るのにも限界がある。ここで二人とも死ぬわけにはいかない。

      ジル:でも!イヤよ…。

      クリス:アジトを見つけたら入り口付近で待っていてくれ。10分経っても俺が現れなかったら突入するんだ。行くぞ!

 SE 射撃音&ハンター改唸り声

      クリス:今だ!行けぇぇ!!

ジル:…。

 SE 射撃音&ハンター改唸り声&走る音

      クリス:くそっ、弾が弾かれる!

 SE ハンター改 飛び掛る音

      クリス:ぐはっ…くっ…

      ジル:はぁ、はぁ、はぁ…クリス…なんで…

 SE アジト到着、隠れる時の音

      ジル:カウント開始。ここがやっぱりアジトのようね。入り口の出入りが激しい。戦闘員がわらわら出てくる。これじゃ正面からの突入は無理ね。

         それにしても…クリス……必ず来て。お願いよ…。カウント8…。はぁ、はぁ、はぁ…過呼吸…はぁ、はぁ、私が…?はぁ、はぁ…安定剤を。ぐっ…。

         はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ふぅ…。カウントは…5…。クリス…。カウント3。急いでクリス、お願い。急いで。はぁ、はぁ…カウント1…。クリスぅっ!!

 SE 吹雪の音 サクサク足音

      クリス:ジル!

      ジル:クリス!!

      クリス:くはっ…

      ジル:クリス!しっかりして!

      クリス:俺は…大丈夫だ……。その注射器は…?

      ジル:精神安定剤。私が使うことになるなんて…。

      クリス:何があった…?話してくれ。

      ジル:私…ずっとロバート隊長の死体とシルキーのバラバラ死体……あれを見てからレベッカ達の事が心配で…。イスラムの連中が若いレベッカを放っておくはずがない。

         それにケニーだって…クリス、あなたまで…頭がおかしくなりそうなの。

      クリス:心配なのはよくわかる。だが命がある内に助け出さなきゃ意味がない。気をしっかり持てジル。悲観するのはまだ早い。信じるんだ。

          必ず生きて連れ戻すと。いいな。

      ジル:…わかったわ。そうね。まだ望みはあるものね。私がしっかりしなきゃ。ありがとうクリス。もう大丈夫よ。怪我は大丈夫?

      クリス:腕を少しな。だが問題ない。幸い傷が浅くて済んだ。

      ジル:ハンターは?倒したの?

      クリス:なんとかな…あいつ、首だけになってもまだ襲ってきてな。崖下に突き落としてやったよ。

      ジル:生きててよかった…私、あなたが戻って来なかったらって思ったら急に苦しくなってきたの…そしたら発作が……。

      クリス:あの屈強なジル・バレンタインはどこにいった。俺はそう簡単に死んだりしない。少なくとも使命を果たすまではな。

      ジル:クリス…ごめんなさい…。

      クリス:謝るな。銃を持てジル。任務はまだ終わっていない。

      ジル:えぇ、急ぎましょう。

      クリス:正面からの進入は無理だな。迂回しよう。入り口は一つじゃないはずだ。

      ジル:左側面に小さいけど入り口があるわ。そこから進入しましょう。

      クリス:了解だ。

  SE 走る音 サクサク BGM
[s12]
      ジル:ここは…。

      クリス:まるで迷路だな。

      ジル:牢屋がたくさんある…。

      クリス:捕まえた捕虜をここに収監しておくんだろう。捜索開始だ。

      ジル:イスラムの連中、よくこんなところで生活できるわね。息が詰まりそう。

      クリス:彼等はこうやって航空部隊からの攻撃を避けてるんだ。地下なら地上部隊も突入しづらい。

      ジル:なるほどね。理にかなってる戦法だわ。これじゃ、軍も苦戦するわけね。

      クリス:その通りだ。戦術もゲリラ戦法。固まって動く軍にとっては非常に戦いにくい。

      ジル:見て!誰かいる。

      クリス:行ってみよう。

      ジル:レベッカ!レベッカなの!?レベッカ!!鍵がかかってる。レベッカ!

      レベッカ:ジ…ル?うっ…

      ジル:レベッカ!よかった…生きてた…。怪我してるのね?今出してあげるから。クリス、鍵を探さないと。

      クリス:ここで待ってろ。俺が探してくる。ジルはレベッカに話しかけてやるんだ。

      ジル:わかったわ。レベッカ!何をされたの!?しっかりして!

      レベッカ:ジ…ル……ウイ…ルス…めて…

      ジル:ウイルス!?ここで開発されていたのね?ケニーは!?ケニーはどこ!?

      レベッカ:うっ!くぅ…!かはっ……。

      ジル:しっかりしてレベッカ!

      クリス:ジル!鍵を見つけたぞ!民兵を3人殺害したがな。早く開けてやれ。

  SE 鍵を開ける音

      ジル:レベッカ!そんな…酷い……レベッカぁ…なんでこんなこと…あんまりよ……レベッカ…可哀想に…もう嫌……。もう嫌ぁ…。

      クリス:しっかりしろジル!気をしっかり持つんだ!レベッカは死んじゃいない。ここから早く連れ出そう。おい、ジル!

      ジル:もう嫌…嫌……こんなの耐えられない…酷すぎる……。嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

      クリス:ジル!おい!ジル!!仕方ない。悪く思うな。

      ジル:う゛っ…。

      クリス:これで少しは楽になるはずだ。ホリゾンを打った。大丈夫かジル。

      ジル:はぁ……はぁぁぁぁ…うくっ…。

      クリス:立てるか?肩に掴まれ。ジル、ここは任せた。レベッカをしっかり守ってやってくれ。銃は撃てるな?誰か入ってきたら、胸に二発頭に一発だ。

      ジル:わ、わかったわ…くはっ…。

      クリス:次はケニーだな。一体どこに監禁されている…?さっき分厚い扉があったな。もしかしたら破れるかもしれん。プラスチック爆弾を使ってみよう。

 SE 小さい爆発音

      クリス:連絡通路…?どこに続いているんだ?

 SE 翼竜タイプB.O.W 声

      クリス:新手のクリーチャーか!デコイで始末しよう。

 SE B.O.Wデコイ 発信音のち爆発、クリーチャー叫び声〜銃撃〜クリーチャー死

      クリス:カードキーか。何かに使えるかもしれん。ん…?あれは…。まさか…研究施設に繋がっている…?カードリーダー…。ひょっとしてこれか。

 SE カードリーダー認証音

      クリス:なんだこれは…?洞窟の奥にこんな施設が隠されていたとは…。これが新種のウイルスなのか。量産体制に入っているということは…。

      ???:その通りだよ。クリス・レッドフィールド君。

      クリス:誰だ!

      ???:おっと。そんな物騒なものはしまってくれたまえ。私は銃が嫌いでね。それに今間違ってウイルスの入ったカプセルにでも当たったらどうする。

          イスラムの戦士達が化け物になるんだぞ?しかしまぁ…よくここまで辿りついたね。褒めてあげるよ。

          ここは、新型ウイルスNT−S305型の生産施設だ。製薬企業に売りさばく目的で量産を続けている。

          見てごらん、綺麗なブルーだろ?この発明は世界を変える力を秘めている。

      クリス:破滅の間違いだろ。人類の脅威となるのは必至だ。そう簡単にバイオテロを起こせると思うなよ。必ず阻止してみせる。今すぐ生産を中止するんだ!

      ???:そうはいかない。我々も多額の資金を投資しての研究、開発そして販売なものでね。失敗するわけにはいかない。

      クリス:BSAAに武器を納品していたのはなぜだ。お互い協力関係にあったはずだろ。

      ???:無論君達を欺くための偽装工作だよ。BSAAへの金と武器のルートを明確にしておけば極秘に活動しても疑われることはない。偽の信頼関係にあったわけだ。

          まんまとひっかかってくれたものだよ。くっくっくっ…。

      クリス:貴様…!!

      ???:それでは特別に君には最高の死に場所を与えてあげよう。ショータイムの始まりだ。

      クリス:どういう意味だ!ケ、ケニー!?ケニー!お前なのか!?

      ???:君達の大切な大切なお友達だよクリス君。この男が醜い化け物に成り果てる様をその目に焼き付けるがいい。はっはっはっ!

      クリス:ケニー!目を覚ませ!!

      ケニー:うっ、うぅ…クリ…ス。すま…な…い。

      クリス:しっかりしろ!今助けてやる!

      ???:ノンノンノン、それ以上動くとこの男の首が飛ぶぞ?黙って見ていたまえ。

      クリス:ケニーを離せ!くそっ!!

      ???:では始めるとしよう。NT−S305を投与する。アディオス!クリス君。

 SE 電子扉の閉まる音
[s13]
      ケニー:クリ…ス!逃げろ!早…く!

      ジル:クリス!

      クリス:ジル!どうしてここに。

      ジル:救護班が到着したわ。辺りの敵は一掃した。レベッカも無事本部に移送された。ケニーは?

      クリス:すまないジル、新型ウイルスNT−S305を投与されてしまった。

      ジル:なんてこと…。あいつはどこへ?

      クリス:逃げられた。あと一歩だったのに。くそっ!

      ジル:待って!ケニーの様子がおかしい。

      クリス:まさか…!

      ケニー:うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ぐぉぉぉぉぉぉ!!!!!

      ジル:ケニー!!

      クリス:まずい、変異し始めてる。ジル下がれ!

      ケニー:がぁ…に…げろ…ジル…クリス……理性を保てない…頼む!逃げて…くれ。ぐぉぉぉぉぉぉ!!!

      ジル:でも、ケニーを置き去りにはできない!ワクチンはないの!?

      クリス:わからない。急いでここを脱出しよう。ケニーの事はあきらめろ!

      ジル:嫌よ!ケニー!!

      ケニー:は…やく…がぁぁぁ…う゛ぅ……。

      クリス:ジル!先に行け!援護する!

      ジル:くぅっ…

  SE 射撃音

      クリス:すまないケニー。恨まないでくれよ。

  SE 射撃音

      ケニー:ぐぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

      クリス:はぁ、はぁ、はぁ…なんて速さだ。追いつかれるっ…!

      ケニー:ぐぎゃぁぁぁぁ!!
[s14]
  SE 端末音

      クエント:やっと繋がりましたぁ!いやー電波障害がひどくて大変でしたよー。

      クリス:それどころじゃない!ケニーが新型ウイルスを投与され変異してしまった!今追われてる!どうすればいい!?

      クエント:ひとまず洞窟から脱出して下さい!出口に機関銃を設置してあります。それと洞窟内部の研究施設の位置を確認しました。地表貫通弾で施設ごと破壊します。

           急いで下さい。

      クリス:わかった。通信はこのまま繋いでいてくれ。

      クエント:わっかりましたぁー!その先200メートルを右、突き当たりを左です。

      クリス:ジルはどうした!?もう着いてるか!

      クエント:無事保護しました!後はクリス、あなただけです。

      クリス:ケニーはもう意識はない。なんとか押さえ込んでくれ!

      クエント:お任せ下さい!50.キャリバーの威力は相当のものですよぉ、はっはっはっ!

      ケニー:ぐぎゃぁぁぁぁ!!!

      クリス:出口はどこだ!

      クエント:後100メートルです!直進してください!援護射撃を開始します!見えました!右に寄って!!

  SE 50.キャリバー掃射音

      ケニー:ぎゃぁぁぁぁ!!ぐぁぁぁぁ!!ぎゃぉぉぉぉ!

      クエント:効いてます効いてます!86ミリ速射砲発射!

  SE ロケット発射音〜爆発

      ケニー:ぐぎゃぁぁぁぁ!!

      クエント:急いで!

      ジル:クリス!!!

      クリス:うぉぉぉぉぉぉ!!!!!

  SE ヘリに飛び乗る音

      ジル:掴まって!

      クリス:くっ…はぁぁ。なんとか間に合ったな。

      ケニー:ぐぉぉぉぉぉぉ!!!!

      クリス:お別れだ。ケニー。

      ジル:…。

  SE ロケットランチャー発射音

      ケニー:ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

      ジル:ケニー…ごめんなさい。

      クリス:ケニーも死を望んだだろう。安らかに眠ってくれ。

      ケニー:あ……が…とな…。

  SE ヘリの音

      クリス:終わったな…。

      ジル:えぇ…。

      クリス:俺達は隊員を失いすぎた。平和の代償は多くの犠牲を伴う。仲間を失うのはもうごめんだ。

      ジル:ケニーも大切な仲間だった。BSAAは優秀な隊員を失ったわ。それに…。

      クリス:…ん?その首飾りは?

      ジル:シルキーの形見よ。いつもこのペンダントを身に着けていたじゃない。これは私が受け継ぐわ。

      クリス:そうか…。

      ジル:私達の戦いは終わらない。死を纏った部隊、BSAA。みんなの死は絶対に無駄にはしない。ありがとう。そして……お疲れ様。

   SE 大爆発音


                                     END

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